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治療例

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麻酔に対する考え方

2023年1月31日(火)

近年、犬猫の高齢化に伴い高齢でも麻酔をかけざる追えないことが増えています。
『高齢で麻酔って大丈夫なの?』と言うお声も多いのでここでお答えします。

当院では、若齢での避妊手術、去勢手術を除き*すべての症例で麻酔計画を立て、事前に麻酔前検査を実施しています。
*野良猫のTNR活動

麻酔計画(麻酔薬、鎮痛薬、昇圧剤、その他)
*当院には麻薬施用者を設置し、麻薬性鎮痛薬を使用することで強力な鎮痛を行い、術後速やかな回復(ごはんを食べ、一般生活に早く戻る)を促します。(ここでいう麻薬とは医療用麻薬であり、依存性などはありません。)

手術の程度、予想される麻酔時間などを考慮しその子に合わせた麻酔計画を立てていきます。

麻酔前検査(術前検査)
術前検査は、緊急事態であれば手術当日に行うケースもありますが、そうでない場合はしっかりと全身状態の把握をするため事前に半日のお預かりで検査を行います。

検査内容
身体検査
視診、触診、聴診など五感を使い観察します

血液検査
血球計数検査(白血球、赤血球、血小板を調べることで感染の可能性や貧血の有無を調べます)
血液生化学検査(腎数値や肝数値、アルブミンなどをチェックし、手術実施可能か調べ麻酔時の注意点を調べます)
凝固検査(血液の固まりやすさを調べます)

超音波検査
腹部超音波検査・・・お腹の中の状態を確認します
心臓超音波検査・・・麻酔がかけれる心臓かどうか確認します

胸部レントゲン検査
心臓の大きさ、また肺の状態を確認します。また麻酔時に使用する気管チューブのサイズも確認します。
高齢の子では、肺に腫瘍の転移がある場合もあり、それらの有無もチェックします。

麻酔前検査より麻酔リスク分類:ASA-PS(American Society of Anesthesiologists physical status)分類に基づき飼い主様に麻酔のリスクのご説明をさせて頂きます。

※ASA-PS分類・・・アメリカ麻酔科学会における動物の全身状態と麻酔リスクを合わせた評価分類

手術の様子

当院では、執刀医(手術をリードする獣医師)、手術助手(手術をサポートする獣医師)、麻酔医(手術の状態に合わせて麻酔の量を調節)、機械出し/外回り(手術に必要なものを出したり場合によっては滅菌ガウンを着て器具を執刀医に渡す看護師)の4人態勢で行っています。

ただ、残念ながら人の医療と同じように、どんなに熟練した獣医師が麻酔にあったっても100%安全な麻酔というものはありません。当院はそれをできる限り100%にできるよう可能な限り努力しています。

獣医師 藤原智宏