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FIP(猫伝染性腹膜炎)の治療

2023年7月21日(金)

当院でのFIPの治療
FIPの治療として、当院では効果があると報告があったGS-441524レムデシビルを組み合わせた治療を実施しております。
治療を行う際にはメリット、デメリットがあり症例に適した治療方法をご提案させて頂きます。

 

FIP(猫伝染性腹膜炎)
猫に病気を引き起こす猫コロナウイルス(FCoV)には、猫伝染性腹膜炎ウイルス(feline infectious peritonitis virus:FIPV)と猫腸コロナウイルス(feline enteric coronavirus:FECV)の二種類があります。FECVは腸の細胞のみで増殖し、軽度の下痢や無症状ですが感染を引き起こしますが、FIPVは主にマクロファージ(生まれつき持っている防御機構を行う細胞)内で増殖することで猫伝染性腹膜炎(feline infectious peritonitis:FIP)と呼ばれる進行性で致死的な全身的炎症疾患を引き起こします。最近の研究では、FIPVはFECVの突然変異であるという説もありますがその詳細はいまだ分かっていません。

 

発生原因と感染経路
FCoVの感染経路は、ウイルスを含んだ糞便や唾液を介した経口感染、あるいは経気道感染であると考えられています。すべての猫で感染するというわけではなく、大きなストレスを抱えた猫や多数の猫を飼育している状況では発生率は高くなると言われています。

 

症状
すべての年齢で発生する可能性はありますが若齢(特に1歳未満)での発生が最も多く、その症状は多岐に渡ります。また致死率が高いことも知られており場合によっては診断から死亡まで1週間ほどとの報告もあります
FIPの病気のタイプは臨床的に滲出型(ウェットタイプ)非滲出型(ドライタイプ)、また混合型に分けられます。

両方に共通する症状
・発熱
・元気、食欲の低下
・体重減少

滲出型(ウェットタイプ)に特徴的な症状
・胸水、腹水の貯留

非滲出型(ドライタイプ)に特徴的な症状
・多臓器における化膿性肉芽腫を形成

 

※腹水が貯まってしまった猫のレントゲン
※腹水が貯まってしまった猫のレントゲン

 

※胸水が溜まってしまった猫のレントゲン
※胸水が溜まってしまった猫のレントゲン

 

FIPの診断
FIPは、症状で示したようにその他の病気でも引き起こしてもおかしくないものであり、1つの検査で診断をするのが難しく、いくつかの検査を組み合わせて診断を行います。またこれらの検査を組み合わせても確定診断ができるわけではなく、証拠から暫定診断のもと治療を行うケースもあります。

例)
血液検査
レントゲン検査
超音波検査
遺伝子検査
腹水・胸水検査
細胞診検査

 

FIPの治療では、早期に適切な治療を実施することが大切です。診察をご希望される場合は、事前にお電話にてご相談ください。また他院にてFIPの疑いがあると言われた場合は、可能な限りの検査データを持参して頂きますとスムーズに治療を行うことができます。決して安価な治療ではないため費用やこれまでの治療例、メリット、デメリットなど詳細なご説明をさせて頂きますのでお時間に余裕をもってお越し下さい。(058-233-3888 担当獣医師/藤原)

 

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